Introducing Android Training - Android Developers Blogより転載
本エントリは、Galaxy NexusをROM焼きしていて、私がつまずいたことのある点を羅列したものです。(既に以前のエントリで紹介済みのものが多数あります)
これからROM焼きする・ROM焼きしているけれど、よくわからないという方は参考にしてみて下さい。
内容はどんどん追記していく予定です。
※本サイトでは、それぞれの細かい手順を紹介するつもりはありません。
1.用語解説
- カスタムROM(カスロム)
世界中のディベロッパーが開発している、AOSP(Android Open Source Project)を元に手を加えたシステムイメージです。様々な機能の追加・動作性能の向上などを目的に作成されています。 システムファイル+カーネルで構成されています。 - カスタムリカバリー
ClockworkMod(CWM)やTWRPなど、カスタムROMを導入する上で必要な、バックアップ•各wipe•zipファイルのインストールなどの機能を備えたリカバリー用のROMです。 - カスタムカーネル
端末の仕様(最大動作クロック数・動作電圧等)を改変・変更可能するもので、中身はboot.imgです。カスタムカーネルにより、最大動作クロック数が増加したり、操作性(ヌルヌル感)が向上したりします。 - ROM焼き
カスタムROMを端末に導入すること。カスタムROMは、ほとんどがカスタムリカバリ用zipファイルで公開されていて、そのzipファイルを端末に導入するにはClockworkMod等のカスタムリカバリから導入する必要があります。
カスタムリカバリを導入するためには、Bootloaderをアンロックし、fastbootコマンドにて導入する必要があります。
→fastbootコマンドのコマンド一覧 - 純正ROM
端末製造各社が公開している、純正のシステムイメージです。 例えば、Googleが製作・販売しているNexusシリーズの純正ROMはFactory Images for Nexus Devicesで公開されています。
また、端末や販売元によってはイメージを公開していないものもありますので、それらについては自分でバックアップを取得しておく必要があります。(docomo版Galaxy Nexus等) - Root化
Root化というのはWindowsで言う”Administrator”です。Rootを取得すると、システムの全領域にアクセスし、操作することが出来ます。
※カスタムROMを導入した際は、既にRootが取得された状態であることがほとんどです。 - Wipe(ワイプ)
カスタムROMを導入する際、不具合が発生しないように行うシステム内クリーニング作業です。
カスタムROM導入時システム領域を上書きしますが、Wipeを行わないと導入前のシステムに上書きされ、システム内のフォルダ構造等の違いから正しく起動しないことがあります。カスタムROM導入時は、配布元サイトの導入時の注意書きをよく読み、正しくWipe後に導入してください。 - Bootloader
fastbootコマンドを利用するための起動モードで、リカバリを起動させることも出来ます。
カスタムROM・カスタムリカバリを起動・導入するためには、まずBootloaderをアンロックする必要があり、Bootloaderアンロック時はユーザー領域がフルリセット(Nexusシリーズの場合)されます。
また、boot領域・リカバリ領域が起動しなくなってしまった時、端末復活のための作業が出来る最後の砦ともなってくれます。
<参考>
Androidの起動モード一覧
- 通常起動(boot領域起動)
- 通常起動:セーフモード(boot領域起動)
- リカバリ起動(recovery領域起動)
- Bootloader起動(Bootloader領域起動)
2.FAQ
- カスタムROMを導入するまでの流れは?
大まかには、”Bootloaderアンロック→Clockworkmod等でバックアップ作成→カスタムROM導入”という流れです。 - Bootloaderアンロックとは?アンロック時にユーザーデータがリセットされる理由は?
Bootloaderロックとは、カスタムROM・カスタムリカバリが導入できないよう、一部コマンドに制限がかかった状態です(工場出荷時初期状態)
ロックされた状態だと、ユーザーが設定した端末ロック機能により、端末を紛失してしまった場合でも他人にデータを抜き取られることはないですが、ロックが解除された状態だと、好きなROM・リカバリが導入できてしまうため、どんなに端末ロックを設定していても、端末が第3者に渡ってしまった場合、データを抜き取り放題な状態になってしまいます。
なので、アンロック時にユーザーデータをリセットし、悪意のある第3者から個人情報を守る仕組みになっています。 - MD5 Checksumって?
ダウンロードしたファイルが、配布者が置いたものと同じものであることを確認するための文字列です。MD5 Checksumってなに?を参照してください。 - fastboot oem unlock後、カスタムリカバリが起動できない?
一度Bootloaderを再起動してみましょう - ClockworkModで、/dataをマウントしていてもsdcard領域が見れない?
/data領域をwipeしたり、factocry resetすると、/data領域が参照・書込不可になります。一度通常起動するとメモリ内リセットされて/dataを参照できる状態になりますので、その後リカバリーを起動しましょう。 - Clockworkmodにて、adb shellが失敗する
ドライバは導入済みですか?USB3.0ポートに接続している場合は他のポートに指してみましょう。 - Root化ってなに?どうやってやるの?
Root化解説→ AndroidにおけるRoot取得に関する基礎知識
手動Root化→コマンド直接入力によるRoot化に成功♪ - ClockworkMod6.xってどうなってるの?5.xとは挙動が違うけど・・・
ClockworkMod6.x検証ページを参照して下さい。 - カスタムROMとカスタムカーネルってどっちから入れればいいの?
カスタムROMにはカーネル(boot.img)が含まれていることがほとんどですので、カスタムカーネルはカスタムROMを焼いた後に上書きしましょう。 - フルwipeってなに?
ClockworkModで言うと、wipe data/factory reset→wipe cache partition→format /system→Wipe Dalvik Cache→Wipe Battery Stats(順不同) - カスタムカーネル導入時ってwipe必要?
インストール用zipファイルに必要なクリーニング処理が入っていることがほとんどですが、Wipe Dalvik Cacheをしてから導入すると安心です。 - fastboot/CWMのWipeについて
fastbootコマンドでも、system/userdata/cacheのwipeは可能です(fastboot eraseコマンド)。が、sdcard領域(/data/media)も削除されてしまいます。
Android3.x以降用のCWMは、sdcard領域(/data/media)を残した状態でwipeしてくれることがほとんど。利用しているCWMを確認の上利用してください。 - ”fastboot flash radio radio.img”が通らないけど・・・
radio.imgの復元方法についてを参照してください。 - ClockworkModでバックアップからリストアできないけど・・・
フォルダをリネームすると出来ないことがあります。ClockworkModにてリカバリができない時の対処方法を参照してください。 - Google Play Musicで利用する端末が10台を超えちゃった・・・
ROM焼きをしているGoogle Play Musicユーザーは要注意!を参考にして下さい。 - カレンダーのデータが突然消えた•••?
Android純正カレンダーアプリの設定を確認してください。必要なカレンダーのチェックが外れていませんか? - 純正ROMにカスタムリカバリをflashしても、起動するとドロイド君が倒れてるけど?
- /system/recovery-from-boot.pを適当にリネームすればOKです。
- Android 4.2関連トラブル
Android 4.2用FAQ集 ~Root取得・CWM~を参考にしてください
3.Tips集リンク