昨日(12/27)、docomoが複数の企業と通信機器向けチップセットを開発する合弁会社を設立することを発表しました。
- 国内外5社と通信プラットフォームの合弁会社の設立に基本合意 - docomo報道発表資料
- ドコモ、国内企業やサムスンとチップセット関連の合弁会社 - ケータイWatch
参加企業は、富士通、富士通セミコンダクター、NEC、パナソニック、Samsungの5社。
準備会社の社名は「通信プラットフォーム企画 株式会社」で、来年3月下旬に合弁会社へと移行するそうです。
この合弁会社はチップセットの”開発”はしますが、製造設備を持っていないので、ファウンドリー(製造)はサムスンが一手に担うようです。コスト面では一番の選択なんでしょうね。
ちなみに、今回この合弁会社が開発・製造するのはCPUのいわゆる「ベースバンドチップ」という部分です。3GやLTE等の通信機能を持つチップですね。
少し解説すると、最近のスマートフォンでは、処理の実行を行う「アプリケーションチップ」と、無線通信のモデム機能を持つ「ベースバンドチップ」の2種類で構成されています。
スマートフォンでよく採用されるCPUは、Qualcomm製です。
Qualcommは様々なラインナップを展開していて、
- アプリケーションチップ・ベースバンドチップを搭載した”MSM”シリーズ
- アプリケーションチップのみの”APQ”シリーズ
- ベースバンドチップのみの”MDM”シリーズ
を展開しています。
また、TI OMAP4430やTegra2もよく採用されますね。これらはアプリケーションチップなので、単体では3G・LTE・WiMAX通信などが出来ません。
なので、Qualcomm製の”MDM”シリーズが一緒に搭載されます。
例えば、EVO3Dは1.(MSM8660)を、ArrowsZはOMAP4430と3.(MDM6600)を、搭載しています。
2.は次期Snapdragon(S4)でクアッドコアのアプリケーションチップ”APQ8064”の登場が予定されています。
今回のdocomoが開発するのはベースバンドチップです。LTEの先にある”Advanced-LTE”を見据えての動きだと思います。優秀なチップセットが開発されることを期待したいですね♪